ヲタクをだだもれ。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
で、結局自給自足しようとして失敗
天縁。
突発的に描きすぎた。
「ヒャッハ!お嬢は難しいことをおっしゃる、俺にはまったくでさぁ」
茶化しながら私の新しい小説のあらすじを聞くのは天草。
彼との腐れ縁を切れないまま、小説家としての軌道も乗ってきてしまった。
「そんなに難しいことは言ってないわ」
「そうですかい?」
天草はなぜか少しうれしそうだった。
「家族の話、なんて俺にはさっぱりなもんで」
彼には小さい時から家族はいない、そんな話をいつか聞いたのを思い出した。
・・・彼の中に家族はずっといないのか。
私も小さい時に一度家族を失った。けれど、それは消えなかった。
家族の笑顔の思い出は消えるわけではなかったし、新しい家族もできた。
そして今も長いこと彼と一緒にいるのだから。
だから、この話が書けたの。
・・・けれど、彼には家族はいないというのか。
こう何年も一緒に過ごしてきたというのに。
「あんた、失礼なこと言うじゃない」
「へ?」
「あんたは私をなんだと思ってるのかしら」
「・・・・・・」
ポカンとした顔は少し可愛いなんて思ってしまった。
いつもへらへらしていて、でも隙は見せない彼が珍しい表情をしたのだ。
「お嬢…ですかい?」
首をかしげながらぽとんと言った。
「ええ」
私が思っていた事は独りよがりだったのか。
「ぷっ、っはっはっは」
天草は突然に笑った。
「何よ」
何から何まで気に入らない。
彼にとっての私なんて、
それをあえて言う私なんて、
「あ、いや、すんません…お嬢が何を言い出すやらと思ったら」
あっひゃっひゃと更に笑う声は不快にさえ聞こえてくる。
「・・・言いだした私が悪かったわ、私この家明日出るから」
さらっとそれを言えるのが私。
何もない関係だと言われるなら、もう離れましょ。
そう逃げるのは私の悪いくせ。
それでも天草は更に笑いだす。
「はっはっは、お嬢。なーに拗ねてんですか」
「拗ねてなんていないわよ、あんたとの意見の相違にあわせるだけのこ・・・」
言いきる前に私は大きな引き締まった腕に引き寄せられた。
「ちょ、天草?!」
じたばたしてもこのできあがった身体に抵抗するに至らない。
「意見の相違…まあ確かにそれはありそうっすね」
といって、彼は私の唇を奪う。
次にポカンとしたのは私の方。
「俺はお嬢のこと、家族っていうより、守んなきゃいけない御人ですからね」
意味はさっぱり分からなかった。
「・・・あんたの言うことは難しくて分からないわ」
「そうですかい?」
そしてもう一度口をふさがれ、息を奪われた。
PR
この記事にコメントする